10円ゲーム講座 第2回。今回はCocos2d-xの概要説明とCocos2d-x v3.10のインストール方法について。開発環境の準備になります。
オープンソースのゲーム開発プラットフォームです。
自分で用意するには面倒な物理の適用、画像の表示や音楽の再生などなど…ゲーム開発をするにあたって面倒な工程を簡単に使えるようにしてくれるのがCocos2d-xです。
さらに、Cocos2d-xで開発することでWindows/iPhone/Android/Webなど複数のプラットフォームに向けて同時にアプリを作ることが可能になります。
Cocos”2d“-xと名付けられている通り、2Dゲームには非常に強く強力なサポートを得ることができます(最近のバージョンでは3Dにも力を入れています)。
商用としても採用されており、ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライトやディズニーツムツムといった人気ゲームがCocos2d-xを使って作られています。
商用でも人気があるのはオープンソースでMITライセンスであることが起因していると思われます。詳しい話は省きますが、商用でも無償無制限で使えるということです。
Cocos2d-xの設定には、Python(プログラミング言語)が必要なので、まずはPythonをインストールします。
最新版は3.xですが、Cocos2d-xで3.xを使うと問題があるとも報告されているため、今回は2.x系をインストールします。
ダウンロード後、ファイルを実行します。ダイアログに従って進めていけば特に何もすることなくインストールは完了です。
コマンドプロンプトを起動して(コマンドプロンプトの起動はwindowsボタンを押してcmdと入力)
python --version
と打ち込み、バージョンが表示されれば正常にインストールできています。
2.7.11が正常にインストールできています。
ここからCocos2d-xをダウンロードします(今回はバージョンv3.10をダウンロードします)。
ダウンロードしたファイルを、インストールしたい場所に解凍します。
Cocos2d-xの環境設定を行うために解凍したフォルダ内のsetup.pyを実行します。
setup.pyを実行すると自動で色々設定を行ってくれますが、
について場所を聞かれます。これは全てandroidアプリを作るための設定なので、今回は何も入力せずEnterキーを押して飛ばします。
androidアプリを作る場合は設定する必要がありますが、後からでも設定できます。
これでCocos2d-xの開発環境が準備できました。
今回はWindowsで開発するため、Visual Studioをインストールします。
Visual Studio Express 2015 for Windows Desktop
ダウンロードしてインストールするだけです。ちなみに私はVisual Studio Express 2013 for Desktopですが、2013以降のVisual Studioなら特に問題はありません。
単一のソースコードからWindows/iPhone/Android/Webなど複数のプラットフォームに向けて同時にアプリが作れることは既に説明しましたが、これは統合開発環境も様々なものが使えることを意味します。
XcodeやEclipseといった統合開発環境も使えるので、使い慣れた統合開発環境があるならそちらを使いましょう。
ここまででCocos2d-xと統合開発環境の準備が出来たので、いよいよCocos2dプロジェクトを作成していきます。
プロジェクト作成にやることは以下のコマンドを1つ叩くだけです。
cocos new プロジェクト名 -p パッケージ名 -l 言語 -d プロジェクトのパス
プロジェクト名は今回は10円ゲームなので「OneCoinGame」とします。
パッケージ名はドメイン名.プロジェクト名が通例のため、私の場合は「net.surfrog.oneCoinGame」とします。適当な名前でも構いません。
言語はC++を使うのでcpp、プロジェクトのパスはD:\workspaceに置きたいので、以下のコマンドになります。
cocos new OneCoinGame -p net.surfrog.oneCoinGame -l cpp -d D:\workspace
コマンドプロンプトを起動(コマンドプロンプトの起動はwindowsボタンを押してcmdと入力)して、先ほどのコマンドを入力します。
実行後、プロジェクト名「OneCoinGame」のフォルダがD:\workspaceにできます。
「OneCoinGame」の中身は上のような形になっていると思います。
Windows/Mac上での動作なら後はビルドするだけで実行することができます。android/iOSはもう一手間いりますが、どちらにしてもWindows/Mac上で確認してからの方が良いでしょう。
Visual Studioを使ってビルド、実行する場合は、proj.win32フォルダのOneCoinGame.slnをダブルクリックすることでVisual Studioが起動します。
起動したら、デバッグ→デバッグ開始を実行してみましょう。最初のビルドは少し時間がかかりますので、コーヒーでも淹れて気長に待ちましょう。
実行結果。Cocos2d-xの新規プロジェクトがビルドできました。
まだCocos2d-xのロゴが表示されるだけですが、ここから色々変更することでゲームが出来ていきます。
次回はgitを使ったソースコード管理です。
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